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2014年2月15日土曜日

【回路】136kHz Bandpass Filter Design

【136kHzのバンドパス・フィルタ デザイン】

136kHz BPF
 これは136kHz帯の送信機を作る話し(←リンク)の一環です。 以下は特に変哲も無いバンドパス・フィルタの話しです。しかし、136kHz帯HAMバンド用送信機の電波の質に関わる重要な部分なので独立したBlogテーマにしました。例によって自家用のデザインメモですからそのおつもりで。

 このフィルタの目的は、20kHz帯で作ったUSB(上側側帯波:例えば21kHz)をヘテロダイン周波数変換し、136kHz帯に持ち上げる際に発生する不要波を除去することです。 136kHz帯、すなわち135.7〜137.8kHzのハムバンドはそのまま通過させ、他の周波数成分は通過させない性能が必要です。特性が良くないと不要輻射の原因になります。

 設計は4次のバターワース特性で行ないました。 このフィルタの特性としては:主信号(例:136kHz=115kHz+21kHz)に対して、(1)ヘテロダイン局発である115kHzは40dB以上の減衰が、また(2)ヘテロダインで逆側に発生する115-21=94kHzについては60dB以上減衰する特性が必要です。 115kHzの所が-40dBで良いのはミキサーがDBMなので局発の減衰を20dB以上見込むからです。 以上の要求仕様から4次以上のフィルタを選択する必要があります。 なお、-3dB帯域幅:Bwは10kHz、入出力インピーダンス:Zoは600Ωとします。

 設計過程は、実際に製作することのないBlogウオッチャーには退屈なだけですから一切省略しました。 もちろんそんなに難しいものではありません。 興味でも湧いたら諸々はシャックの様子見がてらでもお立ち寄り頂ければと思います。 何か手作りをお持ちになると自作の話で盛り上がります。近隣・遠方は問わずお客さんは大歓迎します。(笑)

フィルタ・シミュレーション
 さっそくシミュレーションを行ないました。 但し、コイルの一部はQが低くてLossがあるとして実行しています。従ってシミュレーション回路は上記と多少変えてあります。

 図は検討過程の一例です。結果から見て必要とするフィルタ特性は十分得られそうです。 Lossのあるコイルを使うと肩部分のダレが増えるのと、通過損失の増加が見られるようになります。

 ただ、今回は本当に必要な通過帯域幅が僅か:Bw=2.1kHzなので、少々頭の丸いフィルタになっても実用上の支障はないでしょう。(もちろん、最初からそのように見込んで設計しているのですが・笑)

使用するコイル
 プロフェッショナルな設計の場合、フィルタの途中にインピーダンス変換を設けたり、コイルにタップを設けるなど行なって、作り易く性能も出し易いように変形します。

 上記の設計の場合、L2とL4のインダクタンスがやたらと大きく、比べてL1、L3のインダクタンスはずいぶん小さな値です。 大きい方を数mHに、小さい方は少なくとも数100μHくらいになるようにした方が作り易いのですが設計は一段と煩雑になります。

 ここでは、少々無理は承知でそのまま初期の設計通りに進めることにします。 その結果、特性は多少理想とずれてくるとは思いますが、使用帯域幅が狭いことと、Lossの増加は容易に補える周波数なので煩雑化は避けることにしました。(設計も面倒ですしw)  数100kHz帯では壷型フェライトコア(ポットコア)を使うと良いコイルが作れます。しかし入手難なので手持ちから使えそうな物をピックアップしました。要するに実用性能になればOKと言う訳です。 インダクタンスはなるべく実際に使用する周波数に近い所で測定しないと誤差が大きくなるので注意します。磁気コアが周波数特性を持っているからです。

使用するコンデンサ
 コイルの方で譲歩したので、コンデンサの方はなるべく良い物を選んでLC共振器としての無負荷Q:Quが過度に小さくならないようにしました。

 容量の大きなコンデンサは主にスチロール・コンデンサ(スチコン)を使います。 また小容量はQの高い温度補償系のセラミック・コンデンサ、もちろんNP0特性のものを使います。同じくディップド・マイカも適しています。 一部補助的にメタライズド・フィルムコン(ポリエステル)も使いましたが主たるコンデンサがHig-Qなのであまり支障ないでしょう。 いずれもLCRメータを使い使用周波数に近い100kHzで性能確認しました。 各コイルがインダクタンス可変型なのでコンデンサは1%程度まで合わせておけば十分です。 スチコンは在庫から調達しました。性能は良いですが大型なので近代的な回路には巨大過ぎて持て余し気味でした。この機会に有効活用できて良かったと思います。フィルタの用途にはうってつけのコンデンサです。

フィルタの部品一式
 どのように組立てるかにもよりますが、実際には実装基板が必要です。 量産するならパターン化しても良いですが一品料理なのでユニバーサル基板で作ります。

 さっそく組立てに・・・と行きたい所ですが、もう一つ大切な確認作業が残っています。 使用したコンデンサのうちスチコンのような巻回型のコンデンサは「巻きの内外」を確認しておく必要があります。 これは構造によって生じるものです。こうしたコンデンサは二枚の電極箔(アルミフォイル)の間に絶縁フィルム(誘電体フィルム)を挟んでのり巻き状にぐるぐる巻きにした構造です。 スチコンを見ると透けているので構造が良くわかるでしょう。 本来、フィルムコンデンサは無極性ですが外側に巻かれている方をインピーダンスの低い側に接続するのが正しい使い方です。 その為には巻きの内外がどちら側のリード線に出ているか知る必要があります。 以下はその調べ方です。


Capacitor Outer Foil Test
 写真はスチコンの測定を始めた所です。結果から言うと、このスチコンでは赤い帯のある方が外側でした。要するにホット側ではなくてGND側です。(赤い線なのにねえ・・) しかし表示がないものや、逆側にマークが付いているケースもあるので実測すれば間違いありません

 使用測定器はミリバルと呼ばれる「高感度電子電圧計」です。主にオーディオ周波数帯用で、交流電圧を1mV程度まで高感度に測定できる測定器です。入力インピーダンスは殆どが10MΩです。 このテストにはうってつけの道具です。

 入力がハイインピーダンスなので、もし測定端子のホット側(黄色のクリップ)に接続されたリード線が外側に見えるフォイルに繋がっているのなら、誘導を受け易いのですぐにわかります。 逆にGND側に接続されているならシールドされる形になるので誘導は受け難いわけです。

こちらが外側ね
 さっそくコンデンサの外側を指でつまんでみましょう。 人体に誘導している50Hz(関西なら60Hz)のハム成分が、このようにコンデンサの電極に誘導し電圧計の指針は大きく振れます。

 確認の為に、リード線を入れ替えて比較すべきですがこれだけでも結果はほぼ間違いないでしょう。

 実際に使う際も外側巻きの方をデリケートな側(一般にインピーダンスの高いところ)に接続してしまうと無用な誘導や、他の部品などと静電的な結合が発生して旨くありません。アンプなら発振するかも知れませんし、フィルタなら特性に乱れを生じます。 巻きの外側はGNDされる側に使うか、インピーダンスの低い側に使う方が有利と言うか常識的な使い方です。(え、知らなかった?)

こっちが内側だ
 黄色のミノムシ・クリップが電圧計のホット側の端子です。 手指の誘導を受け難いと言うことは、外側のフォイルはGNDになっていて、逆に黄色のこちらが内側巻きと言うことになります。

 なお、回路の中でGNDされるコンデンサは良いとして、両端のどちらもGNDされていないコンデンサはどう考えれば良いでしょうか?

 このフィルタで言えば、直列共振の為のコイルが接続された側がホットな側になるので、そちらがフォイルの内側になるようにすべきです。 例えばC2とL2の接続点などがホット側です。 巻物のコンデンサだけでなく、積層セラコンにも表裏があるので場合によっては確認して使うと良い場合があります。GND側でシールド板の役割を持たせると言うような効果的な用法もあるわけです。

組立て完了
 コイル巻きは少々面倒でしたが、簡単な回路なので組立は難しくありません。

 赤い巻線のコイル(L2とL4)のうち一方(L4)が横倒しになっているのは、他方(L2)と磁気的な結合を避ける為です。 この赤い巻線のコイルは開磁型なので磁束は周囲に漏れています。 従ってこのような配慮をしないとフィルタのようなデリケートな回路では所定の特性が得られません。

 なお、小さい方のコイルはコアが壷型の閉磁構造なので磁束漏れが少ない上、シールドもされているので平行に配置しても支障ありません。 もちろん、無理に密着させる必要はないので多少でもスペースを開ける方が賢明でしょう。

 実際に使用する際は、フィルタ全体を何らかのシールドケースに入れるつもりです。 アンテナと言う強力な電磁界を作り出すものの根元で使う機械用です。裸のコイルに磁界の誘導が起こることは容易に想像できます。要は小さなバーアンテナと同じです。

特性評価・1
 まずは帯域外の減衰特性を測定してみました。

 肝心の115kHzのところ(中心から-20kHzのところ)が約-47dB、94kHzのところ(中心から-40kHzのところ)は約-70dBと減衰量は十分に得られており設計仕様を満しています。

 測定には600Ωのインピーダンス・マッチング回路を外付けしました。 そのため、通過減衰量は直読測定出来ませんが(まあ、やれば出来るのですが面倒)別途測定することにしました。減衰量の測定は通過域の値との相対測定なので特に支障はありません。

 上側の減衰域が多少なだらかなのは使用したコイルのQが低いからです。 下側はあまり影響を受けませんが上側で顕著になっています。 それでも上側も十分に件の「-40dB、-60dB減衰量」は得られているので、局発を上側にとったヘテロダインでも支障なく使えそうです。

特性評価・2
 通過帯域内の特性です。 理想通りの部品ではないので、通過帯域がだいぶ丸くなっていますが、必要とする中央部分では0.2dB程度の偏差なのでまったく支障無いでしょう。 -3dB帯域幅は設計値の10kHzより狭い8kHz弱になっています。原因はコイルのQと調整法にあるようです。

 Qの低いコイルを使うと通過域の肩部分がだれて丸くなる傾向があります。 また、このフィルタはLC共振器を4つ持っていて、それぞれの共振周波数は少しずつ周波数がずれた所定の所に合わせるべきです。通過帯域が丸いのは、なるべく通過Lossが少なくなるように調整したためで、それも関係しています。多少Lossの増加を許容すれば平坦域が広くなように調整をすることもできます。(やや根気が必要そう)

 このHAMバンドはアンテナの帯域幅が極端に狭くなります。送信機から見た空中線インピーダンスはたった2.1kHzの間と言えども大きく変化するでしょう。 従って完全フラットな周波数特性の送信機をもってしても、結構大きな周波数特性が観測される筈です。 もしそうでないならQの低い飛ばないアンテナの可能性もありそうです。 まあフィルタはこの程度の周波数特性なら十二分であって、深追いは無用と言うことです。(笑)

通過損失の観測
 通過損失の直接的な測定にはオーディオ発振器とミリバル(電子電圧計)を使います。 中心周波数にて測定された通過損失は5.5dBでした。これくらいならまったく支障ありません。並列共振回路を何段か重ねた形式では通過損失はずっと大きくなるのでこの形式で製作したのは正解でした。

 Qのあまり高くない、即ちLossの多いコイルを使ったにしてはまずまずです。調整で最小Lossに合わせ込んだ関係もあるでしょう。 この程度なら簡単に増幅で補えるので実用十分的な特性に仕上がりました。良好な切れを追求すると幾分損失が多くなるのはやむを得ません。巨大なコイルで作れば数dBのロスを減らせますが、この場合はそれをするより増幅する方が簡単です。部分ごとの理想追求では無く、トータルとしての合理性を追求すべきでしょう。

 この観測に限らず、例によってブレッドボードに載せて評価しました。写真に見える両端がミノムシ・クリップの黄色いリード線は底板のGND用です。 ブレッドボードの底板を浮かせたままにすると、そこを介した結合が起こってフィルタ特性に乱れが生じます。要注意です。なにしろ、IN/OUT間で90dB(電圧で言えば約3万分の一、電力で言えば十億分の一)の減衰量がある回路の測定です。周波数が低いと言っても侮れません。

                  ☆

 こうしたバンドパス・フィルタは周波数変換形式の送信機には不可欠なものです。 スプリアスの原因になっても困るので良いフィルタが欲しくなります。 しかしこの周波数帯のLCフィルタは面倒です。 大きな値のインダクタンスやコンデンサが必要で理想通りの部品が得難いからです。 常識的に言えばポットコア(壷型コア)を使ってなるべくHigh-Qなコイルを作ることになるでしょう。 しかし、コアの入手が問題で、おまけに沢山の回数を巻くのも大変です・・・と言うことで、手持ちの活用で済ませる作戦でスタートしました。 要するに実用性能のフィルタが出来れば良いのです。言うまでもなくエレクトロニクスは実用の科学です。机上でぐずぐずするより実用を目指すべきでしょう。

 ずいぶん前に、セラロックを使った135kHz帯のVXOを作った事がありました。その時に使った「公称インダクタンス20mH」というコア入りコイルを巻き戻して使うことにしました。ずいぶん前の頂きものです。
 何百回と細い線で巻線するのは大変ですが、解いて行く方ならずいぶん楽です。おまけにコア入りで調整もできるからおあつらえ向きのコイルに思えました。 ただ、残念なことに開磁型なので使い方に工夫を要します。 また、やってみたら中芯フェライト・コアの周波数特性が大きいようでした。使用周波数に近い所で所定のインダクタンスになるよう合わせ込む必要がありました。 最終的には一緒に使うコンデンサと組み合わせて共振周波数が所定の所に来るよう巻き数を微調整して完成させました。 なにも高級な測定器はいりません。 周波数が安定なDDS発振器などとオシロスコープくらいで十分行けるので後はやる気と根気の勝負です。 de JA9TTT/1

(注)トップバンドにオンエア予定で、実際におなじようなフィルタを作りたいお方にはLC部品供給の用意がありますので、詳細はコールサインを書いたメールをどうぞ。

つづく)←136kHzの信号の増幅するアンプの検討にリンク

2014年2月8日土曜日

【HAM】 End of the JARL ?!

【JARLは終わりか? or 終わりにするか?】

不愉快な手紙
 JARLこと日本アマチュア無線連盟から不愉快な手紙が来た。 同様の手紙は全国の終身会員宛に届いていることだろう。

 終身会員の制度とは言うまでもないとは思うが、その手続きに従って所定の金額を前納すれば以後会費は一切免除するという「契約」である。 JARLがしようとしていることは会員に何らかの落ち度でもあれば別だが、そうでもないのに一方的に契約を反古にすると言うのだ。

 選挙で選ばれたとは言え、執行部は責任を棚に上げ、何らの責めも受けることなくこんな不愉快な手紙をよくも出せたものだ。膨大な積立金を失せてしまったのは犯罪に等しいと思うが如何お考えなのだろうか?

 腹立たしいと言うよりも諦めの気分である。まあ現実には台所は火の車で終身会員から託されていたお金も間もなく使い果たそうとしているわけだ。 無い袖は振れないの通り,もはやどうにもならない状況であろう。JARLと言う組織はいずれ破産して終わるのではないだろうか。少なくともいまの会員が継続できず、予定の会費収入がなければ・・・。

 アマ無線を続ける以上会員としても何とかならぬか考えてみよう。要するに会員である意義をここは冷静かつ合理的に判断しようと言うわけだ。 大きな意義があるなら是非とも継続して会員でありたいと思っている。

 JARLの会員であって、何かメリットがあるかと言えば最大は「カードの転送」にあるだろう。何十年も会員だが、他にこれぞと言ったメリットを感じた試しはない。 だから上記文面にもある通り、是非とも「転送会員」だけでも良いので留まって欲しい・・・と言う意向がありありと見て取れる。 要するにそれが『えさ』なのだ。 どうしてもビューロー経由でカード交換したいと思うなら「会員にとどまる方がお得ですよ」と言うのだ。 これは一理ありそうに思う。

 もちろん、この3,600円に疑問がない訳ではない。 そもそも半額取っただけで最大の赤字事業のカード転送が継続して維持できるのだろうか。 必要な経費を精査した上で受益者負担の考えも採り入れて、たくさん出す人からはたくさん取ると言う公平なシステムに変更すべきだ。経費に応じて必要ならもっと取ったら良い。

 しかし上記のままで行くようなので、たくさん交信をされるお方には3,600円は超お安い費用と言えるのでは無いだろうか。 特に、ネットを使い慣れないOld-HAMが多く電子化が遅れているJA局を相手にするなら転送会員であることは絶対必要だろう。

 だが私はそんなにたくさんカード交換はしていない。どうしてもと言うなら郵便でも良いと思っているし、その方が手っ取り早い。 だからカード交換が目当てでの会員継続はやめようと思っている。 世の中は日々進歩していて以下に触れるような合理的な仕組みが既にスタートしているのだし。

 他に、会員であるメリットは何かあるだろうか。 HAMフェアの入場料割引くらいのように思うのは私だけではあるまい。 少なくともこれから7,200円も払い続ける意味は感じない。 読むような中身の無いJARL NEWSなど送ってもらわなくて結構だ。 各種HAM関係の催し物案内はネット経由で幾らでも手に入る。 年4回の薄い冊子に何の意味があろうと言うのだろうか。少なくとも3,600円も余分に支払う価値は無いと思う。

 JARLが国内で唯一のHAM組織として、お役所との交渉窓口になってきた事実を否定するつもりはない。また日本を代表し海外のHAM組織との交流窓口であったことも事実だ。 こうした組織としての意義は認めるものの、だからと言ってそれで何か目立った成果があったのかは甚だ疑問である。 お役所との関係で言えば単に上意下達の受け皿でしかなかったのではないだろうか? HF帯のバンド幅が増えたのはIARUの功績だろう。お役所の意向が強過ぎるJARLはIARUの足を引っ張って来たとさえも言われている。

電子QSLの時代
 既に利用している人も多いと思う。 交信証・QSLカードの交換ではこのe-QSL(←リンク)が最も普及しているように思う。 特にDX局の半数以上が使っているように感じる。 QSLビューローの仕組みの無い国も多いので、そうした所を中心に今後増々使われるであろう。デザインが規格品のカードで良ければ利用はまったく無料である。

 なお、正規の免許局である旨の保証をしてもらうのが半ば必須になっていて局免許の写しを電子的に提出する必要がある。(Authenticity Guaranteed:AGと言うもの) それによって発行したQSLカードが各種のアワードにも効力を持つようになる。 それをしなくてもカード交換は可能だがぜひ認証を受けて欲しい。写しはスマホで撮ったような写真でも大丈夫なのでここはぜひ。

 オリジナルデザインのカードも数ドルのドネーションを行なうことで可能だ。自分の好きな絵や写真がアップできる。 また、相手局から発行されたカードは画像データとして自分のPCに取込んで保管したり、印刷することも可能だ。奇麗なカードをシャックに飾りたいと言う昔スタイルのHAMのニーズにも対応できる。 今やフルカラーで高画質のプリンタは普通だし、用紙を選べば非常に奇麗なカードを得ることも可能だ。もちろん交信記録も印刷される。

 私も既に利用していて、これからのQSLは全て電子的な交換をお願いしようかと思っている。多くのJA局が使ってくれればJARLはやめても支障はなくなる。 手続きは無料だしごく簡単にできるのでアクティブ局は是非とも利用して欲しいものだ。たまにしかオンエアしないなら一層向いている。カードが溜まるまで発送を待つと言うような「調整」も無用だ。 なお、HAM Log利用者は、少しの手間でログデータを一括してアップすることができるので交信データを一つずつインプットする面倒はない。 もちろん幾らたくさん交信してもカード書きや印刷など無用になる。 それに、相手局がアップしてくれればすぐに照合されてカードが届くことになる。(eQSLからメールでQSLが到着している旨の連絡が来る)

 HAMが全員DXerと言う訳ではないので、次のLoTWは無理にお勧めしないがe-QSLは少しでもオンエアする機会があるなら使って損は無いだろう。手続きは難しくないし、部分的に日本語化もされて来ている。

DXerならLoTWが本命か?
 身も蓋もない言い方かも知れないが、DXingの目的はとどの詰まりDXCCのアワードが欲しいからに違いない。違いますかね?

 もちろん、国際親善とか世界規模のラグチューとか楽しみ方は様々だろう。 ラグチューなら毎回のカード交換はしないし、カード交換だけが国際親善と言う訳でもない。なんなら動画付きのSkypeや写真付きメールで親交を深めることも出来る。 結局「交信証:QSLカード」はアワード(DXCC)の為と言うことになろう。

 DXアワードの最高峰はDXCCである。発行者のARRL(米国のアマ無線連盟)は登録認証されたHAM局の電子ログでもってQSLカードに代わる仕組みを用意している。Logbook to the World:略称LoTW(←リンク)という仕組みだ。 要するに双方の局が証明した交信なら、昔のように紙カードの交換なんか要らず、もちろんARRL宛に送らなくても良いのだ。

 局免許のコピーを郵送しなくてはならないとか、ちょっと面倒ではあるがそれさえすれば済むのでDXerには既に普通になっている。 さらにLoTWは必須にさえなって来ているようで、使っていないようではDXerとして馬鹿にされる雰囲気さえある。 JA各局も時流に乗って利用して欲しいものだ。今のところDXCCとWAS程度のようだがいずれ国際的なアワードはLoTWに連携する可能性がありそうだ。

参考・1:LoTWの具体的な手続き方法はJA各局による解説が検索でたくさん見つかる。そちらを参照して頂きたい。 但し、最新バージョンでは手続きの途中で作成される「コールサイン.tq5」と言うファイルの扱いが変更になっている。手続きしているパソコンがネットに接続されているなら、デフォルトでは自動的にアップロードされる設定だ。従って別途アップロードする必要は無くなっている。 もしも自動アップロードを選択しなかった場合に限りパソコン上に「コールサイン.tq5」と言うファイルが作られるので、そのファイルをLoTWのWebからアップロードするか、指定アドレスにメール添付で送る必要がある。なるべくデフォルトのまま行く方が良いと思う。詳しくはCドライブ:Program Filesの中にあるTrusted QSLフォルダ内の「quick.txt」に書いてある。(Trusted QSLフォルダはインストール時に作成される)

 もちろん JARLなんか一切関係ないからここでもJARL会員でいる必然性は失せている。 だいたいDX局のカードが届くまでに1年も待つようではこのスピード時代に不合理すぎる。 著名なDXぺディでもe-QSLやLoTWなら一週間以内に交信証明されることが多くなっている。 要するにそう言う時代である。だから「カード転送会員」のエサで会員を引き止めたいと言うJARLの思惑など、まったく時代錯誤になっているのではないですか?・・・と言うお話である。そう言う発想しかできないJARLは本当に「終わっている」。 もうJARL会員は終わりにしようか? あなたは?

#それぞれのお立場により、異なった見解があって当然だ。電子QSLやLoTWにデータ消失の不安も感じるだろうし、JARLの有り様についても考えは様々だ。そうした意見も歓迎だ。皆さんがどう考えているのか知りたいところだ。

                 ☆

 このようなわけでJARL会員である必然性は殆ど無くなったように思っている。 一部の国内局はJARLでのカード交換しかしていないように思うが、それならNO-QSLでも結構だ。 どうしても必要なら「JP経由のダイレクト」にても交換はできる。 むしろ、ここは一つeQSLに登録してもらい郵便代の節約もお願いしたいものである。 消費税アップで切手も上がると言うから尚更だ。 これからの交信の決まり文句は「カードはJARLビューロー」ではなくて「カードはeQSLで」となって欲しい。 私は率先してそう言いたい。PSE UR QSL VIA EQSL ES LOTW. NOT VIA JARL. de JA9TTT/1

参考・2:昨年・2013年のQSQパーティのカードからそれ以降は全て交信記録をeQSLにアップしてある。(現在のeQSL発行状況は右のプロフィール欄に記載してあります) 移行期間として順次紙のQSLカードも発行はしているが、お急ぎのお方はeQSLの方もご確認を。 これから新規にeQSLを始めても記録が一致するなら過去の交信でもカードは届く。ご安心を。(貴局が交信データをアップした時に照合される)

参考・3:現状ではJA各局のe-QSL利用率が低いので更に一年以上JARL会員を継続します。紙のカードも継続して発行しますが、早めのe-QSLの利用もご検討を。取りあえず2015年(平成27年)4月6日まではJARL経由でカード交換できるようにしておいた。その後は今のところ未定である。==>その後、さらにQSLカード転送会員を継続した。現状では、2018年(平成30年)4月6日まで会員なので引き続きビューロー経由による紙のカードでのQSL交換も可能だ。(2017.03.14追記)

参考・4:2014年2月の理事会で決まったらしいが、6月30日までに7,200円払った人は12ヶ月にプラス3ヶ月して、15ヶ月間会員にしてくれるそうだ。さらにオリジナルQSLカードも100枚くれると言う。(詳細はJARLのサイトで確認を) これは想像なのだが予想以上に7,200円払ってくれる人が少なかったのかもしれない。 会費の本質はそう言う話しでは済まないように思うのだが、他に継続を促す良いアイディアはなかったのでしょう。

(おわり)

2014年2月1日土曜日

【HAM】 Your Radio station license.

【あなたの局免は大丈夫?】

総通からハガキが!?
 総通:総務省総合通信基盤局 電波部 電波環境課 監視管理室と言うお役所からハガキが届いた。 でかでかと「無線局免許の再免許申請手続きのお知らせ」って書いてあったのでギョッとはしなかった。しかし、アマチュア無線に関わって以来かれこれ50年にもになろうとするが、こんなハガキは初めてもらった。

 以前のBlog(←リンク)に書いた事があったが、無線局免許の更新が近づくとJARL:日本アマチュア無線連盟の会員なら「そろそろ更新時期ですよ」と言う有難いハガキが届いていた。 しかし、まさかお役所からいちアマチュア局にこんな連絡が来るとは思いもよらなかった。

「ハハ〜ン、電波利用料(税金)が余ってるからだな?w」と言うご意見は一旦脇に置くとしてずいぶん親切になったものである。ここは素直に感謝したい。 しかし、うがった見方で言えば「あの馬鹿みたいに開局申請が殺到し(余分な)仕事が増えに増えて困ったあの頃」から見たら、今やアマチュア局のための業務量は劇的に少なくなってしまったのであろう。 お役所から見ても、若年層にまったく相手にされていないHAMの実体が危機的な状況に映るのではあるまいか?

 アマチュア無線の振興は科学技術の進歩と発展にも寄与するものとして奨励して来たのは科学立国たる政府の方針であろう。それは今も変わっていまい。 かつて実用価値が低かったVUHF帯のスペクトラムを実験用として幅広く与えくれたのはそうした科学技術振興の精神に基づいていた筈だ。 しかし、「これ以上減ってしまうと貴方達のバンド防衛もままならないよ」と言う警告にも感じてしまった。

無線局免許の期限が
 実は135kHzなどバンドの追加を含めモードの追加ほか、設備の入れ替えとなどの目的で設備変更の申請中である。 まもなく許可されそうであるが、少し申請を急いでいたのだ。 理由は言うまでもなく、免許更新の時期が迫って来ていたからだ。

 変更申請は更新の前か後にずらせて別途行なう必要がある。 従って、期限が今年の夏に迫っているのは良く承知していた。

 変更が済んだら、間を置かず忘れずに更新の手続きをとろうと思っている。 新規開局ともなれば、相応の費用が掛かる。 それに免許が流れてしまうと、違法無線局になってしまうのでオンエアは出来なくなる。 故意にではないとしても、免許切れは旨くない。 こんな通知が全員に来るようになったのかどうかは知らないが、もし少しでもオンエアする可能性があるのなら忘れずに更新しておこう。

電子申請がオススメ
 これまで電子申請は利用してこなかった。 だからこんなハガキが来たのかも知れない。 経費を抑えスムースに業務を進める為には電子申請して欲しいと言う意味だろう。 利用すれば費用も少なくて済むことが強調されている。

 今年の局免許の更新は電子申請で行なうつもりだ。 現況についてきちんと記録さえ管理しておけば、紙の申請でなくても支障はないと感じている。 先の変更申請では作成及び控えの問題などもあって紙による申請にしたが、局免の更新なら支障はないので電子申請で行くつもり。



電子申請ライトで簡単
 まずは、パスワードとIDの取得が必要だ。 郵送されてくるまで1週間ほど掛かると言うので、早めに取得しておかないと電子申請で行こうと思っても間に合わなくなってしまう。 この点、注意が必要だ。 いつ取得しても良いので思い立った時に行なっておこう。 詳細は総務省のサイトで確認を。

                   ☆

再免許で思う
 アマチュア無線の将来については、楽観論と悲観論の双方が交錯しているように思う。世界的に見たら、これからニューモードも含めてブームになりそうな所もあってどちらかと言えば楽観論だ。 しかし、日本の劣化は突出していると思う。 若年層の新規入門者が殆ど皆無だと言う。これが痛い。 昨今は老後の手慰みに再開する人ばかりだ。 モトが団塊だから母数も大きかったようで某無線誌も久しぶりに右肩上がりに転じたそうである。しかし復活などと喜んでいるととんでもない。時間の問題で激しく減少して行くように見える。 技術的要素が多い趣味を老後に再開しても面白さを感じる前に限界を悟るだろう。再開組のお空での会話を聞いていてどうもそう感じる。おそらく次の5年後は再継続されない。 HAMの手続きは電子申請にして欲しいと言うのが本音だろうが、総通からハガキが届く側面にはずっと続けそうな人をこれ以上減らしたくないと言う意向もあると思いたいものだ。hi

 何が問題だったのか今さら仕方もないが、JARLがこの趣味を良いカタチに育成できなかったツケが回っているのだ。 いたずらに大衆化のみを推進し数にばかり頼ったことで「殆ど無価値に見える趣味」にしてしまったのだから。 他の趣味と同じように深遠で、また常に探究心を刺激するフロンティアなホビーだったはずなのに。
 「ご趣味は?」と問われて「HAMです!」と答えるのがはばかられるようでは悲しいではないか。 de JA9TTT/1(JARL会員)

(おわり)