2014年4月15日火曜日

【回路】Repair an NRD-72 Receiver

【JRC:NRD-72型受信機の修理】

NRD-72故障す
 まったく故障しない機械など存在しないでしょう。しかしJRC:日本無線製の通信型受信機:NRD-72が再び故障したのです。以下、簡単な修理記録として纏めておくことにしましよう。 コレをお持ちのお方でも同様の故障をするとは限りませんから参考にはならないでしょう。 以下、持ってないお方には単なる暇つぶしでしょう・・と言う訳で、もしお暇ならどうぞ。

 この機体が製造されたのは1979年のようです。 既に35年が経過していますからどこか不調になっても不思議ではありません。前回の修理は5年以上前だったと思いますから、それ以降はノートラブルでした。 少し接触不良が出るのはやむを得ません。古いのに立派なものと言えそうです。

 写真は正面パネルの左側部分です。 Sメータはこのように0〜10までの目盛になっているだけでアマチュア機のようにS目盛ではありません。プロの通信士は通信ができれば良いので、シグナルレポートの交換などしませんしアンテナが変われば指示値が変化するSメータなど飾りでしょう。

 流石に、この時代の受信機ともなればSメータを頼りにチューニングして最良点に合わせるなどと言う受信操作はせず、あらかじめ決められた周波数に数字を合わせるだけで事足りたはずです。 Sを見ながらワッチなどBCLやアマチュア無線家の楽しみです。(笑)

周波数は飛ぶ
 メインダイヤルの回転に対して周波数がスムースに変化せず飛ぶようになりました。 写真で100Hzの桁がおかしいのです。 0,1,2,・・・・9,0と順に変化しません。

 この桁は1kHz/0.1kHzのステップ切換えスイッチでスルーにすることができます。 スルーにしてダイヤルを回すと1kHz単位の変化になります。 その状態では正常に周波数のアップダウンが可能です。従ってロータリ・エンコーダの問題ではありません。どうやら一番下の桁のカウンタ部分に異常があるようです。

 前回の修理でもこの部分に異常が発生しました。 ダイヤルが一方向にしか変化しなくなったのです。 パネル面にあって、最初に外気に曝されるこの周波数表示ユニット:CDE-52は故障し易いようです。 このNRD-72も船舶に搭載されていたらしいので潮風が入ってくる環境に長年おかれたのでしょう。 NRD-72は密閉構造ではありませんから、スイッチや表示部の隙間から外気はお構いなく浸入したでしょう。

#どうも外気に曝された部分に故障が多発する印象があります。

NRD-72の中身
 同社のアマチュア向け受信機やトランシーバにも採用されている構造です。 底部のマザーボードのソケットに各機能ブロックを搭載したプラグイン基板が差し込まれます。 Collinsの651S-1あたりから採用された構造でしょう。ボードエクステンダが必要なので、メンテナンス性は良くないと思いますが製造には有利だったのでしょう。

 左から入力のLCフィルタ、RFアンプとミキサー、IFフィルター・・・・と言う順に並んでいます。 電源部は右の方にあります。 AC100VとDC24Vで動作します。 なお、故障が発生したユニットは正面パネル裏に搭載されています。 ダイヤルツマミを全て外し左右のラック・ハンドルを止めるネジを取ると前に倒れます。基板はフレームから取外さなくてもある程度のメンテナンスできます。

周波数表示の裏側
 写真の左上に見えるのが周波数ダイヤルのロータリ・エンコーダーです。 光学式のロータリ・エンコーダーで、かなり大型のユニットです。 耐久性を考えて非接触形式にしたのでしょう。 しかし、意外に故障が多いのも事実で不具合になっている機体もかなりあるようです。

 周波数表示ユニットは、このロータリ・エンコーダからのアップダウンパルスを拾って、周波数表示を行なうとともに、PLL回路にデータとして渡す役目を持っています。 一番下の桁が悪い場合に疑われるICは数個に限られていて、動作解析の結果からIC17:TC4510BPが最も怪しいことがわかりました。

 写真では褐色のフレキシブル基板(FPC)が目に入るでしょう。 これは基板ユニット間を繋ぐ配線用です。束線のワイヤ・ハーネスではなくこうしたFPCを使ったのは配線の合理化と確実性を追求してのことと思います。しかし修理などメンテナンスの際には障害になるので一長一短です。
 FPC上に見える細い青色の電線はLSBモードを追加した際の配線です。NRD-72はプロ用なのでSSBと言えばUSBモードです。しかし配線の追加でLSBも受信可能になります。デジタル周波数表示もキャリヤ・センターなのでLSBモードを追加しても支障はありません。

IC17:TC4510BPの周辺回路
 TC4510BPは標準的な4000/14500シリーズC-MOS ICです。 一桁のアップダウン・カウンタで特殊なICではありません。手持ちにはありませんが、各社からセカンドソースが出ていたので交換部品の入手は少しも心配していませんでした。 回路に見える周辺のゲートICも同じで、4001や4049と言ったポピュラーなデバイスです。故障原因さえ究明できれば修理に困る筈はありません。

 そう思っていたのですが苦労しました。 4000シリーズのC-MOSも市場から徐々に姿を消しつつあるのです。 4001、4011や4049と言ったポピュラーなゲート類ならまだ支障なく手に入ります。 しかしMSIの4510Bは入手困難でした。用途が限定されているからかも知れません。 もちろん秋葉原のお店を虱潰しに当たればどこかに在庫があったかも知れません。 しかし、若松、千石、鈴商ほかラジオデパートやセンターのメジャーな数軒を当たってもどこも在庫はありませんでした。通販のサトー電気にもありません。最後の手段で世界中から探して海外通販する手はありそうですがこれ一つと言うもの・・・。

 はたと困ってしまったのでJE6LVE高橋さんに相談してみました。少々古いようですが、お手持ちがあったほか大阪・日本橋のお店にも当たって頂きました。 数軒回って発見できたそうで送って頂くことができたのです。 LVE高橋さん、どうも有難うございます。お陰でこうして立派に直りましたよ。

#原因はほぼ特定されているので部品さえあれば直ったも同然だったのですが・・・。

4510Bを交換す
 両面スルーホール基板なので、良くハンダを除去しないと配線パターンを傷めてしまいます。 また、潮風と年数の経過とで基板は弱って来ているので丁寧な作業を心がけました。

 写真中央が交換したIC17:4510Bです。 オリジナルは東芝のTC4510BPでしたが、交換品はTI・RCA系のCD4510BEです。モトローラ系のMC14510BPでも良いでしょう。 ロータリ・エンコーダと言う人間が相手のインターフェースですから、ICの動作速度など影響はないので「4510B」なら何でも大丈夫です。 交換したら正常に動作するようになりました。 めでたし、めでたし。

 この写真の4510Bの右にあるTC4001BPは以前交換したものです。 聞くところによれば、前オーナーがそのほかにも交換しているとのことなので、やはりパネル面寄りの基板は故障率が高いようです。

                    ☆

NRD-72のRFアンプ
 せっかくNRD-72を開けたので、特徴的な部分を少しだけ紹介しておしまいにしましょう。

 写真はRFアンプ基板:CAF-50を引き出した状態です。 裏返しになったトランジスタが目に入るでしょう。 これがNRD-72の高周波増幅です。 2SC1164-Oと言うトランジスタがPush-Pullになっています。 小さなヒートシンクが付いていますが、これはそこそこ電力を喰わせているからです。

 それぞれ15mAくらい流れています。コレクタ電圧は15Vで、CE間には12Vほど掛かっています。200mWくらいの消費電力ですからそのままと言う訳には行かなかったようで、小型のヒートシンクが付いています。 なお、振動など考慮してヒートシンクを基板にネジ固定する関係で裏返して搭載したようです。足が長くなりますが30MHzまでの受信機ですから影響はありません。

RFアンプの回路
 アマチュア無線では、RFアンプと言えば2SK241や2SK125などがポピュラーです。 こうしたバイポーラ・トランジスタ(BJT)を使ったRFアンプはあまり見ません。大昔の半導体受信機にはBJTのRFアンプもありましたがそれとはまったくの別物です。

 実は、こうした形式のアンプはなかなか優秀です。使ってあるトランジスタはCATVの中継器用に向けて開発されたもので、直線性に優れています。CATVの中継器にあっては多重化された多チャンネルの信号を一括して広帯域増幅する関係で、混変調や相互変調を非常に嫌います。目は耳以上に鋭敏であり、僅かと言えども画質の低下は視覚的にすぐわかります。要するにIP3やIP2は十分大きくなくては使用に耐えないのです。 ですからそれ専用のデバイスが開発されました。 従ってデバイスの性能に依存しますから回路だけを真似ても真価は発揮できません。 ノイズ・フィギャもHF帯用としては十分低く、広いダイナミックレンジが得られるRFアンプです。 消費電力が大きい欠点の他に、デバイスのコストが掛かるのでアマチュア機で同様のデバイスを実際に使った例は杉山電機のF-850(但し簡易型)くらいしか見たことがありません。(稀な例として、トランシーバ・キットでも簡略型が見られました)

 ずいぶん前に扱った、Collinsの651S-1A受信機ではいきなりJ-FETのppミキサーで周波数変換していました。 おそらく、感度的にはそれでも十分行けるのでしょう。 しかし局発の漏れによるスプリアス輻射ほか、妨害特性の点ではRFアンプがあった方が有利なはずです。 HF帯のハイバンドではなるべくNFを下げたくなって来ますのでやはりRFアンプは欲しくなります。 広いダイナミックレンジを確保しつつ、良好なNFを得る必要からJRCの受信機ではこうしたRFアンプが付加されているのでしょう。

 ほか、ミキサーが2SK19BLなのはIdssが大きなJ-FETを使うと言う常套手段です。今ならJ310のような外国製J-FETの方が入手性は良いです。もちろん、2SK125があるならそれも良いでしょう。 しかし、昨今では高IPのミキサーはスイッチング・タイプに移行する傾向にあります。 これからはD-MOSを使う形式が台頭するはずです。 Bus-SW用ICも同様にD-MOSであって周辺回路が集積されていて使い易いものです。ミキサー話しはまたいずれ機会があれば。

2SC1164の素性
 あまり入手し易いトランジスタではないので簡単にしておきます。 同様のデバイスとしては、NECの2SC1252の方が有名です。たぶんそれもディスコンですが、RF用パッケージに入った面実装タイプのCATV用トランジスタが今でも作られています。

 コストが厳しく、そうでなくても昨今のアマチュア機は受信時の消費電力が過大な傾向にあります。 ですから無条件に採用するのは難しいかも知れませんが、一度検討してみる価値はあるでしょう。 バス・スイッチのDBMと同じで、ここでこう書いておくと何時の日にか良い性能のRFアンプがアマチュア機にも搭載される時が来るかも知れません。(笑) RFアンプのデバイスは2SK125/J310/SST310ばかりでありません。こうしたバイポーラ・トランジスタを使ったRFアンプなど如何でしょうか?

 まあ、今ならノイズレス・フィードバックのノートン・アンプ・・・もちろんPush-Pullタイプを使ってゲインの平坦化と低歪みの追求を図るのがトレンドです。 その為にはもう少しゲインの取れる石がベストチョイスかも知れません。

 そのほか、IFアンプなども面白い回路になっています。詳しく見て行ったら興味深いこともありますが、始めるとキリがないのでまた何時か機会でもあったらにします。

                 ☆ ☆ ☆

 JRCのNRD-72とかその上位の受信機は安定した性能なので使っていて安心感があります。だまって過不足なく受信できる安心・安定感はさすがです。 ところが操作していて何か楽しいかと言えば、あまりそう感じません。 当たり前に受信できる機械はプロにとっては頼りになる存在でしょう。 空気のような存在と言ったらわかり易いでしょうか。 なければ困りますが、普段は特に意識などしない存在なのかも知れません。 プロの通信士を惚れさせた小林無線とは対極にある受信機のようです。

 今でもプロ用受信機・業務用受信機に憧れを持つ人がたくさん居られます。 堅牢で確実な動作をしてくれるのは流石だと感じさせてくれます。 しかし、こうした受信機で聞こえるときは今のアマチュア機ならどれでも立派に聞こえます。 昔のようにプロ用とアマ用の性能差は無くなっています。 プロの通信はチャネルが割り当てられていましたから普通は混信など滅多にありません。従って混信除去能力は限定的です。一方、アマチュア無線は大違いです。混信対策の機能を考えれば今どきのアマ用の受信機なりトランシーバはとても優れものです。もちろん製造技術の進歩で信頼性だって侮れません。 de JA9TTT/1

(おわり)

14 件のコメント:

Weekend QRP Homebrewer さんのコメント...

JA9MAT 小町秀彦です。

加藤さん、おはようございます。修理メモ、とても参考になりました。こちらのNRD-10も潮風の影響か、やはりフロントパネルのLEDが電源投入時に桁落ちしています。5分くらいで表示するので、まだ修理には至りませんが、ドライバーのICがあるうちに直さないといけません。今までの修理履歴は、AGCが効かなくなりIF-AMPの2SK19BLを交換しています。入手後10年経過していますが他にトラブルは有りません。優秀な方だと思います。他にもありますが、これは電源投入時にSメーターが振りきれ、10分くらいで戻ります。これもAGC関係が問題だと思います。いつかは、小林無線も聞いてみたいのですが、病気になるので保有は考えておりません。Hi

T.Takahashi JE6LVE/JP3AEL さんのコメント...

加藤さん、おはようございます。

ICお役に立てたようで良かったです^^


RFアンプなしでいきなりミキサーの受信機もいくつかあるようですが、ローバンドでATTを入れて使うぐらいなら感度だけ考えるなら無くても大丈夫かもしれませんね。

軍用、業務用無線機ってあこがれがありますね。
業務用だからきっと聞こえるだろうとか^^

JRCのアマチュア無線機が人気なのも業務用無線機のメーカーだからと言うのが大きいと思います。

僕も機会があれば使ってみたいですが、置き場所もないので入手することは無いと思います。Hi

やはりアマチュア無線にはアマチュア無線専用無線機が一番じゃないかと思います^^

TTT/hiro さんのコメント...

JA9MAT 小町さん、こんばんは。お久しぶりでした。

早速のコメント有難うございます。
> 修理メモ、とても参考になりました。
多少は役立ったようで良かったです。

> ICがあるうちに直さないといけません。
最近は何でも表面実装ですから昔のICは徐々に無くなって行くようですね。 直せるうちの修理しておくと良いでしょう。

> 他にトラブルは有りません。
今の機械と違って長く使うのを前提に作られていたのでしょうね。十分なマージンがとってあるのでしょう。

> いつかは、小林無線も聞いてみたい・・・
聞き易くはなりますが、聞こえないものが聞こえるわけではないですね。(笑)

TTT/hiro さんのコメント...

JE6LVE/3 高橋さん、こんばんは。 今日も暖かでしたね。

コメント有難うございます。
> ICお役に立てたようで良かったです^^
お陰さまで、完全になりました。 代替の効かないICなので困っていました。

> 無くても大丈夫かもしれませんね。
Low-BandではNF>20dBでも十分なくらいですから、下手なRFアンプならない方がマシです。

> 業務用無線機のメーカーだからと言うのが・・・
JRCのアマ機もありますが、設計に独特な部分があってアマチュア無線には他社製の方が扱い易いと思う所も多々あると思います。

> アマチュア無線専用無線機が一番じゃないかと・・・
やはり、ICOM、kenwood、Yaesuはアマチュア無線と言うものを良く知っていると思います。 HAMの通信形態にマッチしているので使い易いですね。

JA9MCH_tanutanu さんのコメント...

加藤先輩ご無沙汰しております。

私もこのNRD7シリーズ所有しています。NRD73という型番で後ろ側のシャーシに出っ張りがある以外は違いがないような気もします。元気に使用できていますが、スイッチON直後、AMの選局同調時にフォイッスルのような発信音が入ります。30分ほどの運転でピューと消えます。

冬は時間が長く、夏は短いので何かのデバイスが変化しているのだと思います。オシロで発生源を追跡して、ドライヤーで暖めてみれば修理できると踏んでいるのですが、まず基板を上に出すゲタが必要で、自作するか、ヤフオクなどで見つける必要があり、使えない訳ではないので我慢(横着ともいう。)しています。

最近は、近所のハードオフで3,000円で購入し、電源スイッチVRを交換、照明をLEDに換装したPalster 30が調子よく、使ってます。

JA9MCH/1 和田

TTT/hiro さんのコメント...

JA9MCH/1 和田さん、こんばんは。ご無沙汰でした。

コメント有難うございます。
> 私もこのNRD7シリーズ所有しています。
そう言えば、以前73を入手されたと言うお話を伺いましたね。

> AMの選局同調時にフォイッスルのような・・・
どこが悪いんでしょうねえ・・・。 PLLのVCOがロックレンジぎりぎりになって来たとかでしょうか? 回路図があるようでしたら、チェックポイントを当たってみてはいかが?

> (横着ともいう。)しています。
あまり先送りすると交換用の部品の入手に困るかもしれませんよ。 早めに見てやって下さい。(笑)

> Palster 30が調子よく、使ってます。
R30でしょうか? NRD73より近代的で良さそうです。 故障品だったようですが¥3Kはお買い得でしたね。 もっとも直ったと聞いたのでそう思うのでしょうけれど。hi hi

どんな機械も故障しますからね。面倒を見ながら使って行きましょう。

JA9MCH_tanutanu さんのコメント...

こんばんは。以前、受信機の質と言いましょうか、物が違うのですが、5球スーパーで、AGC回路のパスコンが容量抜けしていた時、同調時にフォイッスルのような発振したことがあり、AGC回路のかななどと考えてました。物が違うので、同じには語れないと思います。

ご指摘のようにR30です。コリンズのメカフィルでなく、村田のセラミックフィルターが付いている機種です。電源が入らないで、ジャンク品でした。基板用のS付きボリュームが不良で、秋月で同じ仕様のS付き2連ボリュームを買い、工夫して入れ替えました。前の持ち主さんが、直そうとして中のコネクタをはずしてあった方が問題でした。ネットの同機種の画像から、推定して組み直しました。メータ、液晶のバックからのランプ回路が取り外されて無かったので、LEDに入れ替え、満足の行く仕上がり。

受信機の本体の回路は健全で、直す必要が無かったのは、回路図も無かったので、ラッキーでした。結構高感度で、マイクロホイップアンテナと組み合わせ、中波からHFエアーバンドまで、ダイヤルグリグリだけで運用でき、3,000円はお得な買い物となりました。

TTT/hiro さんのコメント...

JA9MCH 和田さん、こんばんは。

再度のコメント有難うございます。
> AGC回路のかななどと考えてました。
あまり先入観を持たずに調べてた方が良いかも知れませんね。 時間が経過すると正常になる故障は直すのが難しい部類だと思います。 じっくり取り組まれて下さい。

> ご指摘のようにR30です。
了解です。 そうそう簡単な修理ではなかったようですね。 直そうとして諦めた機械は欠品があったりするものですが主要部は揃っていたようで何よりでした。 和田さんの工夫と努力を考えれば、もはや¥3kの100倍くらいの価値がありますね。(笑)

旨く直すことができた機械は愛着がわいて来ますね。

JG6DFK さんのコメント...

おはようございます。花粉はようやく収まりつつあるようですね。

高橋さんのご協力もあり、無事修理ができたようで何よりです。内部や基板の傷み具合から見て、かなり過酷な環境で使用されてきたらしいことがよくわかります。

まだマイコンが一般的ではない(信用されていない?)時代の製品だけあって、ロジック回路系の物量が凄そうです。それだけコストもかかったのでしょうが、業務機なので信頼性さえ確保できればどれだけ価格が高くなってもかまわなかったのでしょう。そういう商売がうらやましい(笑)。

下位の設定がロータリエンコーダということですので、バッテリによるバックアップ回路があるのでしょうか。

表面実装タイプでも生き残ってさえいればまだいいのですが、デバイス自体がまったくなくなってしまうとお手上げですね。基本ロジックICでも一部メーカーは4000/4500シリーズをすでに廃止していますし、それ以外でもBCD関係は淘汰が進んでいるようです。

需要がなければやむを得ませんが、基本ロジックICの淘汰が進んでしまうと試作や小ロット生産はもとより、学習教材のようなものもだんだん作りにくくなってきますね。いずれにせよ、一般的でないロジックはマイコンやFPGAで代替するのが現代のトレンドということなのでしょう。

アマチュア的にはいろいろと参考になるかもしれませんから、いずれ機会がありましたら回路を拝見できればと思います。35年は前のすっかり陳腐化した技術ですから、見られたところでメーカーとしては痛くもかゆくもないでしょう(笑)。

ただし、デバイスの手持ちがあるなら別ですが、RFアンプにせよPLLにせよ、表面実装をいとわなければFBやICがその辺にいくらでも転がっていますので、たとえアマチュアでもそれらを活用する方がよほど合理的で、実装を除けば無用な苦労をしなくて済むと思います。

うちではHP8640B(信号発生器のレジェンド?)が一時期よくトラブルを起こしましたが、最近は落ち着いているようです。これもロジック回路の塊です。ここに来てからでも20年近く経っていますから、いつ昇天しても文句は言えません。

先立つものがあれば勇退させるかもしれませんが、残念ながらできません(泣)。そういえば、Agilentの電子計測部門が分社化されるようですね。不採算事業の切り離し!?

TTT/hiro さんのコメント...

JG6DFK 児玉さん、おはようございます。 花粉の飛散もだいぶ少なくなってきましたね。

コメント有難うございます。
> 過酷な環境で使用されてきたらしい・・
海の上ですからいつも潮風にさらされたのでしょう。荒れれば海水のしぶきも飛ぶでしょうし・・・。 電子機器には厳しい環境です。

> そういう商売がうらやましい(笑)。
そういう商売が可能だった時代ももう終わってしまったのではないでしょうか。(笑)

> バッテリによるバックアップ回路が・・・
別体のメモリユニットがあるほか、必要部分のみ電源が生きたままになるようにできています。

> 4000/4500シリーズをすでに廃止しています・・・・
長い間生産されたので今のところ流通在庫がかなり有るのですが、それも時間の問題でしょうね。 汎用性の高い物はしばらく続く可能性もありますが、ニーズの少ない石は消えそうです。

> 機会がありましたら回路を拝見できればと・・・
はい。 マイコンを使わない設計なのでICばかり多くて作るのはたいへんそうです。 いよいよダメになったらパネル面の基板はマイコン化するほうが簡単そうです。

> マイコンやFPGAで代替する・・・
その方が合理的な時代ですからね。コストも掛かりませんし・・・。

> いくらでも転がっています・・・
PLLの石も新しいものが色々出ていますね。 但しシリアル・コントロールなのでマイコンなしで扱うのはナンセンスでしょうけれど。(笑)

> いつ昇天しても文句は言えません。
8640は有名な機械なのでリペアパーツも有るようですから、その気があれば長く使えますよ。大切にされてください。

> 電子計測部門が分社化・・・
開発費用は膨大に掛かるうえ、回収できるまでの期間は長いので投資家が我慢しきれないのでしょうね。

Kenji Rikitake さんのコメント...

修理お疲れ様でした.BJTのプリアンプの話は,ARRLのLow-Band DXing (Chapter 7, pp. 7-114 - 7-115) で読んだことがあります.2N5109というデバイスが紹介されていました.PDFのデータシートです.

http://www.centralsemi.com/leadedpdf/2n5109.pdf

もうそろそろ74xxも40xxも45xxも世の中から消えつつあるという状況,寂しいですが,不可避なのかもしれません.

73 de Kenji Rikitake JJ1BDX(/3)

TTT/hiro さんのコメント...

JJ1BDX/3 力武さん、こんばんは。

コメント有難うございます。
> 2N5109というデバイスが紹介されていました.
この石は米国では有名ですね。 トランシーバのキットに使われているのを見たことがあります。

> 寂しいですが,不可避なのかも・・・
昨今の開発では古いロジックファミリなど使いません。 プロのニーズがなくなったので生産中止もやむを得ないでしょうね。アマチュア的には残念ですけれど・・・。

アマチュアも新しいデバイスへ移行する頃合かもしれませんね。

JL1KRA Nakajima さんのコメント...

>若松、千石、鈴商ほかラジオデパートやセンターのメジャーな数軒を当たってもどこも在庫はナシだった。

CMOSがこの界隈でももう手に入らないと聞いて驚きました。

加藤さんからQSY頂いた目黒のMSG-2560(まだまだ現用中です^_^)も不良はパネル操作でした。
押されたりなどなど内部基板より
想像以上にパネル面の環境はよろしくないのかもしれません。
NRD-72,QRPer的にはコレクションにしたい型番でした。
「いつかはクラウン」みたいにいつかはJRCと思っていたらアマチュア無線から
撤退しまったので残念です。

TTT/hiro さんのコメント...

JL1KRA 中島さん、こんにちは。

コメント有難うございます。
> CMOSがこの界隈でももう手に入らないと・・・
秋葉原ならいくらなんでも何処かにあるだろうと思っていたので私もビックリでした。

> パネル面の環境はよろしくないのかも・・・
操作スイッチが基板に載っている機械は一段と厳しいでしょう。 この受信機ではスイッチは載っていないのですが、外気に直接曝される環境は厳しかったのでしょうね。

> QRPer的にはコレクションにしたい型番・・・
72ですね、たしかに。(笑) QRP送信機のお相手にはいささか大きいです。hi hi

> 撤退しまったので残念です。
撤退は残念ですが、総合的に見て他社の方が使いやすい感じもします。 思ったほど売れなかったのかもしれませんね。