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2017年1月28日土曜日

【その他】Shopping Report 2017, part 1

【2017買い物レポート:Low price Soldering kit
 【安価なハンダ付けキット
 中国製はんだ付けキットの購入レポートです。

 最近のamazonを見ていると、安価な中華製グッズが多数販売されています。 品目は従来からあったようなIT機器や家電品に限らず、半導体やCRのような電子パーツまで、さらに工作用ツールなど非常に幅広くなってきました。

 かなり怪しそうな商品を販売する業者もあって、悪い評価が重なるとアカウントを閉じて新たに別の名で商売を始めていると言ったウワサも耳にします。

 amazonですから変な商品に引っ掛かっても最終的にお金は取り戻せるのかも知れませんが掛かった手間や時間は取り返せないので慎重さも必要でしょう。 しかし非常に安価なら「ダメもと」で試してみるのもスリルがあって楽しいものです。 もし使い物にならなかったら深追いはせず半ば「あきらめる」つもりで怪しげなお買い物を楽しんでいます。(笑)

 写真は1,599円で販売されていた「ハンダ付けキット」です。 これに限らずACコード途中にスイッチが付いたタイプや、付属品の種類や数が違うキットなどたくさんの出品があります。 ただし良く見るとはんだコテ本体はどれも類似なので、あとは付属品やお値段で選んでみるのも良いでしょう。

 この1,599円のキットは(1)温度調節付きはんだコテ本体、(2)交換用コテ先チップ5個、(3)やに入りハンダ少量、(4)簡易こて台・・・・がセットになっています。 この(3)のヤニ入りハンダは錫60%-鉛40%なので「鉛フリー」ではありません。 しかし一般の電子工作にはその方が好都合だと思います。 メーカーは規制があるのでやむなく使っていますが鉛フリーは確実なはんだ付けが難しいため趣味の電子工作には不適当です。なお(3)の「はんだ」はお試し用ですし(4)のコテ台は昔の蚊取り線香立てのような構造の完全なオマケの品なので期待しない方が良いです。要するにはんだコテと交換用コテ先チップのセット販売なのです。w

 はんだコテだけでもきちんとした日本メーカー製なら5,000円以上する筈です。 それが色々付いて1,599円なのですから本当に使い物になるのか怪しそうです。 以下、評価結果を交えてご紹介したいと思います。 最初からBlogの「ネタ」の為に買ってみたのではありませんが、はんだコテに困ってもいないので半分は「ネタ」みたいなものです。 以下、もし良かったらご覧下さい。

 【温度調節付き
 分解してみれば仕組みもわかるので、調子でも悪くなったらバラしてみましょう。 しかし、評価前に分解するのも何ですから、そのままテストしてみましょう。

 ダイヤルは200℃〜450℃の目盛りがあります。 ツマミを回してみますと単なるVRではないようです。 感触からステップ状に設定できるようです。

 温度調節できると言うのがこのはんだコテのポイントでしょう。 従来型の無制御のはんだコテは連続して作業している時は良いのですが暫く手を休めて放置すると過熱してしまいました。 そのため焼け過ぎてこて先チップの酸化が進んで付きが悪くなる、更には細いコテ先なら熱で曲がってくるなどの問題があったのです。 そうかと言ってワット数の小さなコテでは少し熱容量の大きな部品にハンダ付けしようとすれば温度が下がってハンダが溶けてくれませんでした。 その点、温度調節付きのコテなら焼け過ぎが防げるほか、大きな部品のハンダ付けで温度が下がれば加熱量が増えてコテ先の温度を維持しようとするため使い勝手は優れています。

#安価なコレは本当に広範囲の温度調節ができるのでしょうか?

予備のコテ先チップ
 元から付いているコテ先チップは、鉄メッキされた耐腐食型の耐久コテ先です。 従って、大昔のように付きが悪くなったらヤスリで表面を削って磨く・・・と言うような作業は必要ありません。 むしろヤスリ掛けなどしたらコテ先を一発でダメにしてしまいます。 はんだコテ用の濡れたスポンジなどきちんとしたコテ先クリーナを使ってきれいに保てば常に快適なハンダ付けが続けられます。

 しかし、しばらく使っていると少しずつ酸化してハンダの乗りが悪くなってきます。減りにくいとは言え幾らか摩耗もあるのでいずれ交換が必要になります。 良くハンダ付け作業をするのなら予備のコテ先チップは用意しておきたいものです。
 このキットには5種類の交換用チップが付いていました。 このうち、普通の電子回路のハンダ付けで使えそうなコテ先形状は2〜3種類のように思います。 それでも予備があるのは良いことで、はんだの溶けが悪くなった時に慌てずに済みます。

 amazonで売っているハンダ付けキットには交換用コテ先チップが10個も付いてたものまであって様々です。 使い易いコテ先形状の替えが1〜2個あれば十分なので沢山はいらないと思います。 良さそうな形状の交換用コテ先が数個付いていれば十分でしょう。

 交換は簡単に出来ます。 冷えている時にヒーター部分を覆っている金属スリーブ部分の手元側にあるリングを回すとコテ先が外れます。内部のセラミックヒータを損傷しないように気をつけてコテ先チップを交換します。 なお、このキットには付属しませんが交換用ヒータも安価に売っていました。 しかしヒータが切れるほど使えば丸ごと新品を買った方が良いかも知れません。

コテ先温度の実測特性
 怪しいと思っているだけでは非科学的ですから、実際に測定してみましょう。 コテ先に温度センサの「熱電対(ねつでんつい)」を取り付けて温度を測定してみました。 左図はその実測結果です。 横軸が時間で縦軸が温度になっていて、こて本体のダイヤルで温度設定してから安定するまでの時間を追った経過がわかるようになっています。

 できるだけ小型の熱電対ということでSUS保護管入りでφ1.4mmのK型熱電対(=クロメル-アルメル:CA型)を使いました。 コテの先端部分に錫メッキ銅線を数回巻いて固定しています。 幾らか誤差はありそうですが熱容量はそれほど変化しません。極端に温度がずれることもないでしょう。 温度表示器にはadvantest製のデジタルマルチメータ:R6341Bを使いました。

 200℃の設定から実験を始めました。 通電から約2分で200℃を超えるのでそろそろハンダ付け可能になります。 その後もゆっくり上昇して10分ほどで安定状態になりました。 コテ先温度は80℃くらい設定よりも高くなりました。 誤差が大きすぎますが、実際のところコテ先が200℃ではハンダ付け作業には低すぎます。 はんだが溶けないようでは困るので意図的に高くなるようにしてあるのかも知れません。
 さらに300℃に設定してみました。設定よりも30℃くらい高くなりましたが、200℃の時よりも誤差は少なくなっています。 その後250℃に設定温度を下げてみました。 まだ20℃程度高いところで安定しますが、まあまあと言った感じでしょうか? 再び200℃の設定にしてみましたが最初の設定のように約270℃あたりで安定しました。取りあえず温度設定の再現性はあるようです。

参考温度の「自動制御」は行なっていない可能性があります。 要するにダイヤルで通電電流の加減が出来るだけで、コテの温度をフィードバックする温度の自動制御などしてはいない可能性があるのです。 安価ですから単なる「可変電力型のはんだコテ」なのかも知れません。(その可能性は否定できません・笑)
==>自身で検証はしていませんが、他の評価者によれば温度が収束するに伴い消費電流が減少する特性を示すそうです。そうであれば温度の自動制御が働いていることになるでしょう。(温度が高くなるとセラミックヒータの抵抗値が大きくなるので、そのように見えているだけかも・・・)

 左のグラフにはありませんが、450℃に設定したところ448℃前後で安定しました。設定温度が高い方で誤差が小さくなる傾向にありました。(注1) 逆に、200℃と言うのは目盛りに数字はあっても設定はできないようでした。 だいたい250℃以上でないと温度設定は効かないようです。

 以上、時間対温度の関係を見ると、どこかの温度に収束するのでコテ先の温度は制御されているように見えます。 少々誤差の大きな温度制御ですが、それなりに機能しているような感じです。 まずは「温度調節機能付き」のはんだコテと言えるでしょう。

注1:450℃の設定で使うのはお奨めできません。 測定の為のごく短時間でさえ何となくコゲ臭くなってきました。 そのまま通電しているとゴムや樹脂の部分が変形しそうです。どうやら300℃以下の設定で使う方が良さそうでした。

                   ☆

 はんだが溶けなければクレームにもなるでしょう。 しかし温度を測ってみる人はまずいません。 ですから製品個々に温度調整などしていないでしょうし簡単な検査さえも省いているかも知れません。 何しろ通電した痕跡さえもありませんから・・・。

 正常な品でもコテ先の温度には個体差(ばらつき)がずいぶんありそうです。 ここで示したグラフは私が購入した品の特性です。購入したどれもが同じになるとは限りません。取りあえず参考程度に見ておいてください。

 他の購入者のコメントによれば熱でプラスチック部分が変形したとか、中から火花が散ったと言うような物騒な事例までありました。逆に200℃の設定では温度が低くてはんだが溶けないと言うレポートもあります。 ただ、そうした異常さえなければ実用性は十分あります。耐久性などは未知数ですが「アマチュア用」として使えそうです。

 安心感を求めたり高級な性能を望むなら国産品に相応の費用を払うべきでしょうね。 チープな1,599円ハンダ付けキットを同列に並べてダメ出しをしても意味はありません。 初めから満足できそうもないならこうしたヤスモノに手は出さないことです。 しかし価格からみたらコレはこれで十分使えます。私は250℃の所にダイヤルをセットして使おうと思います。 下手な温調ナシのはんだコテよりずっとマシですからね。(笑) ではまた。 de JA9TTT/1

(おわり)nm

ご注意:このBlogはアフェリエイトBlogではありません。電子工作を楽しむための情報を提供していますが特定の商品やショップをお奨めする意図はありません。公開している商品情報は単なる参考です。お買い物は貴方ご自身の判断と責任でお願いします。

8 件のコメント:

矢北道紀/ja8czx さんのコメント...

加藤さんおはようございます、そしてご無沙汰しております、ja8czx/矢北です。
またまた、そして、おけましておめでとうございます(遅い)、1月中ですんでご勘弁を、(汗)
久しぶりに単身先の函館から帰省して朝ちょっとサーフィンしておりましたら、加藤さんのブログ更新に気づきました。
今期は半田ごてですね、やっと口を差し挟めるお題です。
うちの小手も年代物でして、試してみようか、という気になっております。
また、よろしくお願いいたします。

TTT/hiro さんのコメント...

JA8CZX 矢北さん、おはようございます。 今冬の北海道は雪が多いようですね。

さっそくのコメント有り難うございます。
> あけましておめでとうございます・・・・
新年おめでとうございます。本年も宜しくお願い足します。

> 試してみようか、という気になっております。
本文では、少々怪しそうな書き方になってますが普通に使えそうです。 多少リスクはありますが宜しいかと思います。

コテ先のチップがやや大きめなので微細なはんだ付けには別の物が良さそうです。 十分な熱容量があるようなのでコテ先チップを交換すれば真空管機器の製作や修理にも向いているように思います。 どうぞご参考に。

JR1QJO/矢部 さんのコメント...

加藤さん、こんにちわ
実は私もハンダコテを新調しました。実表面実装部品のハンダ付けがどうも苦手だったので、腕に悪さを道具のせいにしてHakkoの自動温度調節ハンダコテを奮発して買いました。過去の失敗のトラウマから手付かずのAitendoの表面実装DSPラジオキットを3台連続製作してまがいなりに成功?しました。例によって部品配置図や回路図が間違っていましたが、そこもなんとか類似キットの情報でクリア。古いハンダコテは同軸コネクターや真空管用に第二の人生を歩ませます。Hi

TTT/hiro さんのコメント...

JR1QJO 矢部さん、こんにちは。 今日は日差しが暖かですね。

いつもコメント有り難うございます。
> Hakkoの自動温度調節ハンダコテを奮発して・・・
それはFBなお買い物をされましたね。 お小遣いにゆとりがあれば信頼できるツールの入手が一番でしょう。

> 3台連続製作してまがいなりに成功?しました。
それはおめでとうございます! FBなはんだコテは成功率にも影響があると思いますが、なによりも作る楽しさがアップしたのではありませんか?

> 古いハンダコテは同軸コネクターや真空管用に・・・
古いコテもラフな作業用に使ってあげて下さい。 私も用途ごとに5本くらい使い分けていますよ。 特にアンテナ工作には強力なやつを使います。(笑)

T.Takahashi JE6LVE/JP3AEL さんのコメント...

加藤さん、こんにちは


千石にて1980円で購入した温調ハンダゴテを使ってますがなかなか便利です。
一番便利なのが電源スイッチが付いているのでいちいちコンセントの抜き差ししなくても良いところです(爆)

コテ先の温度測定は興味深いですね。
使っている温調ハンダゴテもちゃんとフィードバック制御されているのか興味があります。

あとは高校生ぐらいから使っているgootのピストル型とSMD用のハンダゴテを準備してますが、基板上での配線はほとんどは温調ハンダゴテで間に合いますね。

やはり一度便利な道具を使うと元には戻れません。Hi

TTT/hiro さんのコメント...

JE6LVE/JP3AEL 高橋さん、こんにちは。 大阪のお天気は如何でしょうか? こちら快晴です。

いつもコメント有り難うございます。
> 千石にて1980円で購入した温調ハンダゴテを・・・
私も欲しかったのですが、買いそこないました。hi 鉛フリーへ移行で旧型をディスカウントしたのでしょうね。 とても良い品でした。(残念・笑)

> コテ先の温度測定は興味深いですね。
熱電対と電圧計があればお試しください。 非接触の測定法もあるんですが直接でも参考になると思いますので・・・。 お使いのコテはもっと良く制御が効いていると思いますよ。hi

> gootのピストル型とSMD用のハンダゴテを準備・・・
皆さん色々お持ちなんですね。 追加で瞬間ターボ付きのコテが欲しいと思っています。熱放散の大きな所に便利そうだと思うので。

> 一度便利な道具を使うと元には戻れません。Hi
はんだコテに限らず、良いツールは使って楽しくなりますよね。 凝り過ぎると「道具貧乏」になるので程々にしようと思っていますけれど・・・。(爆)

jn3xby@岩永 さんのコメント...

TTT 加藤さん、こんばんは。
温度調整付きの中華製での温度測定までしていただいてありがとうございます。
早速当局も注文ました。
温度調整がついていないと、どうしてもこて先が焼けてしまいます。
高橋さんと同様に、当局も千石の温度調整付きを1980円で購入し愛用しています。
予備のこて先も購入していたのですが、これも交換してしまったため、予備がありません。
このこて先は特殊な形状のため、小手先の調達には、こての何倍もの費用が発生するため、今のこて先がだめになったらどうしようかと思っておりました。
加藤さんに人柱していただいて、次のこての候補が決まり、うれしく思っております。
ありがとうございました。

TTT/hiro さんのコメント...

JN3XBY/1 岩永さん、こんばんは。 今夜も暖かめです。

いつもコメント有り難うございます。
> 温度測定までしていただいて・・・
自身で使うにしても本当に温度調節は機能しているのか疑問に思ったんです。疑問解消には測ってみるしかない訳で・・・。(笑)

> どうしてもこて先が焼けてしまいます。
そうなんですよね。 W数が小さいコテは使いにくいので先が細くて大きめのW数のコテを愛用するんですが焼け過ぎでコテ先をダメにすることが多くて・・・。 温調付きはその点FBだと思います。

> 早速当局も注文ました。
少々ちゃちいのでお試し気分で使ってみて下さい。 それなりに使えれば儲けモノだと思っていますよ。(爆)